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東京五輪・パラ、石巻圏から[3] スポーツ店経営者 - 株式会社河北新報社

■スポーツ店経営 松村善行さん(76)=石巻市中央=

<体動かす喜び広げたい>

 世界最大のスポーツの祭典・オリンピック。スポーツとは何か。ある百科事典には「競争と遊戯性を持つ広義の運動競技の総称」とあった。

 石巻市中央3丁目のスポーツショップマツムラ社長の松村善行さん(76)は「スポーツとは何か」を考え、活動を実践してきた。

 スポーツ店経営の傍ら2003年にNPO法人石巻スポーツ振興サポートセンターを結成。趣旨に「全ての市民がスポーツに親しみ、青少年の健全育成、健康増進、地域コミュニティー活性化を図る」と掲げた。

 中学で始めたサッカーは、東北振興パルプ(現日本製紙)石巻工場の実業団チーム選手として活躍するまで突き詰めた。故障などの事情で退職後、現在の職業を選んだ。実績を買われて後進の指導に当たり、母校の門脇スポ少監督として全日本少年サッカー大会に出場するなどした。

 転機が訪れたのは40代になったある日。スポーツ用品を納めに訪れた市内の中学校での光景だった。体力テストで、生徒が50メートル走やソフトボール投げなどをしていたが、走るフォームができていない子、ボールがほとんど前に行かない子が何人もいた。「いつも私の周囲にいる子はいわばエリート。スポーツができる子と、できない子の落差に衝撃を受けた」と松村さん。

 考えが180度変わった。「スポーツを楽しいと思わない子を一人でも減らしたい」。NPOを設立し、今も続く「わんぱくスポーツ」事業を始めた。遊びの要素をふんだんに取り入れ、誰もがスポーツをする喜びを体験してもらう機会を増やす活動を続けてきた。

 忘れられない場面がある。障害がある子どもたちを海水浴に連れて行ったときのことだ。体がほとんど動かせない子を3人体制で海に。体が浮かぶ感覚に、不安いっぱいだった子の顔に笑みが広がった。

 東日本大震災で子どもたちは体を動かす場を失った。それ以前に「スポーツどころではない」という空気が被災地には満ちていた。

 松村さんはボルダリングに注目した。多くの人の支援を受け、12年には仮設の壁を、現在の店を移設する前にあった空きビル内に設けた。夢中で壁を登る子どもたちの歓声が響いた。

 「スポーツは一握りの精鋭だけのものではない。みんなが一生親しめるもの。東京五輪はスポーツは何かを原点に返って考える機会にしたい」

 昨年店内に設けたシニア専用ジムで体を動かしながら、松村さんはそう語った。

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January 04, 2020 at 09:07AM
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