女性ゲストを招き、TOKIOの松岡昌宏と博多大吉がとりとめのない酒場トークを展開する「二軒目どうする?~ツマミのハナシ~」(毎週土曜深夜0時50分)に、酒や肴のうんちくを語る"おつまみさん"として出演している倉嶋紀和子さん。酔っぱらって料理の説明をするのを忘れてしまい、松岡から「姉さん、説明して!」とツッこまれる姿も、もはやてっぱん!
そんな倉嶋さんは、もちろんただの酔っぱらいではありません! 酒場好きのバイブル「古典酒場」の編集長という肩書の持ち主で、お酒に関するイベントに講師として出演するなど幅広く活躍中です。
そこで「倉嶋さんってどんな人?」と気になった「テレ東プラス」は、倉嶋さん行きつけのお店「善知鳥(うとう)」(東京・西荻窪)で取材を敢行。酒を片手にほろ酔いの倉嶋さんの素顔、その破天荒人生に迫ります。
収録前は、すでに一杯やらせていただいています!(笑)
──番組で拝見する限り、倉嶋さんは常に"ひっかけてるな~"感が漂っていいますが(笑)、収録はお酒を飲んでから臨まれているのでしょうか?
「飲んでいます。だいぶ緊張しいなんで......。でも、テレビに出られる方の、本番になった時の集中力とテンションの上げ方は本当にスゴイですよね。私には到底無理なので......申し訳ありませんが、事前に飲んでいます」
──お酒で、緊張を緩和させているんですね。
「はい(笑)」
──松岡さんや大吉さんの印象を教えてください。
「大吉先生はイメージ通り優しい方ですし、松岡さんは本当に気配りがスゴイ! 以前番組の新年会でご一緒した時、みんなのグラスの空きをちゃんとチェックしていらっしゃって、『姉さん、飲んでる?』とお酒を注文してくださったり...。酔っぱらった私を、タクシーに押し込んでくださることも多々あり(笑)」
大学生の頃から、日本酒の一升瓶を抱えていました!
──今回は倉嶋さんの酒飲み人生を語っていただこうという企画です。お酒に目覚めたのはいつ頃ですか?
「子どもの頃、お正月のおとそを飲んだ瞬間ですね。もちろん子どもなので、口をつける程度しか与えてもらえなかったんですけど、すでに『大人になったらこのおいしさを味わえるんだ!』と思った記憶があります。夜中、兄と一緒に、床の間に置いてあったおとそをペロペロ舐めた記憶がありますね」
──ずいぶんと早い目覚めですね(笑)。
「実家は熊本ですが、家にお客さんを招いて、親がお酒を飲みながら楽しそうにしている姿を見ていたので、中学生の頃には"早く飲みたい!"と興味を持つようになっていました。父が晩酌で一升瓶の焼酎を飲んでいたので、大人になったら"一升瓶を抱えてコップ酒をしたい!"と」
──若い娘さんの発想とは思えないですね(笑)。実現したのはいつですか?
「大学進学を機に上京して一人暮らしを始めたんですけど、20歳になった時、一升瓶の日本酒を買いに行きました。熊本育ちゆえか、当時は甲類焼酎という存在を知らず、焼酎と言えば、芋や米、麦から造られる乙類焼酎(本格焼酎)。その乙類焼酎は、今でこそ、造りや原材料が進化し、呑みやすくなっていますが、この頃はかなりパンチのある香り味わいでした(笑)。なので、まずは入門編として日本酒からスタートすることにしました。母が一人暮らしの娘を心配して上京すると、男の影がないか家探しするわけですが、出てくるのは一升瓶ばかり。"こりゃいらない心配だわ"と笑っていましたね」
──普通は女子大生の部屋に一升瓶がゴロゴロあったら、それこそ男の影を疑ってしまいそうですが...(笑)。それだけ倉嶋家は飲兵衛の受け入れ態勢が整っていたということですよね。
「母はあまり飲みませんが、父はもちろん父方の親戚も母方の親戚も酒豪ぞろいです。私がお酒を飲むのは、遺伝子なんでしょうね」
──酒飲みライフのスタートが日本酒の一升瓶とは...まさに筋金入り(笑)。現在のお仕事はまさに天職ですね。「古典酒場」は創刊から編集長を担当されていますが、どんないきさつで誕生したのでしょう。
「F1が大好きだったので、"もしかしたらレーサーに会えるかも?"というよこしまな考えで、車雑誌専門の出版社に新卒入社しました。社内で『新しい企画を出して』と言われ、『あっ、そういえば私にはもう1個好きなものがあった!』と酒場を紹介する企画を出しましたが、その時は実現に至らず。その後、一度転職しますが、"やっぱり酒場の雑誌を出したい!"という思いでかつての上司に相談してみたら"じゃあウチでやるか!"と言っていただいて...。自分で勝手に辞めた癖に、また勝手に出戻って来て雑誌を創刊するという荒技でした。本当に懐の深い会社で、ありがたかったです」
──お店のアポ取りなど、創刊当時、ご苦労されたのでは?
「取材拒否はありましたね。"今いる常連さんを大事にしたいので、申し訳ないけどお断りさせてください"と...。取材依頼をした5分の1くらいのお店は取材断られたのではないでしょうか。通いすぎるとプレッシャーになるので、数回通った後に手紙を書いたりして...。とはいえ、手紙でも十分プレッシャーですよね(笑)」
──努力が実って「倉嶋さんだから」と取材を受けてくださるお店も多いそうですね。
「ありがたいことです。ただ、メディアに載せることで、来るお客さんが変わってしまうこともあって...。それがいいのか悪いのか、今も正解が分からないです」
怒った夫が3ヵ月家出したこともありました(笑)
──番組の番外編で、ジンを飲みまくって泥酔されているのを拝見しましたが、倉嶋さんが本気で酔っぱらうと、どうなるのでしょう。
「毎回記憶がないんです......。"飲んでま~す"と同じ相手になんどもメールを送ってしまったり。泥酔すると、帰ってすぐに洋服を脱ぐ癖があるので、結婚した当初、家の玄関で全裸で倒れている私を見た夫は"事件?"と、驚いたみたいで(笑)。そんなことを何回も続けていたら、ある日夫に『いい加減にしてくれ!』と怒られました。夫もここまでひどいとは想像していなかったようで...」
──ご主人とお酒が原因でケンカをすることはないのでしょうか?
「ケンカにはなりませんが、怒って3カ月ほど家出されたことがありました。夫の怒りが増幅するといけないのでこちらからはその間一切連絡しなかったんですけど、ありがたいことに帰ってきてくれて...。でも、泥酔している妻を見たくないという理由で、一緒に外食するのは年に1回、私の誕生日だけになりました(笑)」
──お店の方もそうですが、ご主人、そして「二軒目どうする?~」の皆さんとたくさんの愛に支えられている倉嶋さん。どんなに酔っぱらっても許されるのは、倉嶋さんのステキなキャラクターのなせる業だと思います。記憶がないとのことなので難しいかもしれませんが(笑)、お酒を飲む上でのポリシーはありますか?
「美味しいお酒は最初に飲む。酔ってくると忘れちゃうので。そして、宵越しの金は持たない、というか持てない。アクセサリーは失くすのでつけない。結婚指輪も失くしちゃいましたから!(笑)」
取材が始まる前は"超真面目オーラ"に包まれていた倉嶋さんですが、ビールをチェイサー、日本酒が手酌で進むうち、いつもの「二軒目どうする?」モードに。2時間にも及ぶ取材でわかったのは、倉嶋さんが素晴らしく聞き上手であること。ステキな笑顔でうんうんと大きくうなずく倉嶋さんに、誰もが心を開く理由がわかったような気がしました。
新年一発目の「二軒目どうする?~ツマミのハナシ~」は、1月4日(土)深夜1時31分放送! どうぞお楽しみに!
【今回取材させていただいたお店:善知鳥(東京・西荻窪)】
「以前は阿佐ヶ谷にお店があり、大先輩に連れて行っていただいたんです。それが15年ぐらい前ですね。お料理とお酒はもちろん美味しいんですけど、私は店主の今さんに会いに行くという感じです。そして今さんの故郷の青森のお話を聞きながら、お酒を飲むのが至福の時です」(倉嶋さん)
【今回いただいたおつまみ】
おでん
帆立の貝柱だけでとったお出汁にお塩のみとシンプルなレシピでありながら、深いコクがあるおでん。大根は岩塩で3日間煮込んだ後、お出汁に丸1日漬け、お店に出るのは仕込みから5日目だそう。倉嶋さん一押しの「イカメンチ」は、ゴボウとニンジンとイカゲソのみで、つなぎは一切使用していない。イカゲソをひたすら30分包丁でたたき続けて粘りを出すことでつなぎいらずに。
「イカの味の濃さとフワフワの食感がたまらなく美味しいです。おでんには、鰹節と昆布の出汁で伸ばした"生姜味噌"が添えられていますが、これだけで日本酒1合いけちゃいます! 生姜味噌もピリッとだけでなく、味に丸みがあるのがいいですね」(倉嶋さん)
日本酒
「今さんがつけてくれるお燗は、うま味と酸味が引き出されていて、本当に美味しい」(倉嶋さん)。「あたりが強いお酒を捨ててほしくない」という今さんの日本酒愛から生みだされたのは、茶筅でお燗を攪拌する「点て燗」。これぞ、日本酒好きであれば一度味わうべき!
※お電話でお問い合わせの上、お出かけください。
近日公開の後編では、今回の「善知鳥」さんを始め、倉嶋さんおすすめ「もつ煮」の名店3を紹介します。
"店" - Google ニュース
January 04, 2020 at 09:07AM
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「二軒目どうする?」倉嶋紀和子が行きつけの店で手酌で語る...破天荒すぎる飲ん兵衛伝説|テレ東プラス - テレビ東京
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