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おじさん必見 ミレニアル魅了する「レジなし」コスメ店 - 日経ビジネス電子版

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 「まだ時間がかかるのか! 早くしてくれ!」

 2020年1月2日。ニューヨーク・マンハッタン南部のあるコスメ店で、インド系家族の父親が切れ気味に妻と10代の娘に怒りをぶちまけていた。

 「もうすぐだからちょっと待って」

 母娘はそう言うと小走りにコスメの試供品が並ぶテーブルへ戻り、口紅をいくつかつかんで大きな鏡の前へ急いだ。母も娘も、試供品で色づいた互いの唇を見合っては意見を出し合っている。不機嫌な父親を尻目に、表情は明るく声も弾む。

店内はミレニアル世代ともいわれる10代とその母親らでごった返していた。彼との旅行で仏パリから来たという20代の女性もいた

 ここは2018年11月にオープンした米グロシエ(Glossier)の旗艦店。開店から1年以上が経過しているが、現在も連日、外には約1時間待ちの長蛇の列ができる。

夕刻撮影のため暗くて恐縮だが、写真の左端の先にも行列は続いている

 14年にニューヨークで創業した同社は今、「リアルとデジタルを融合させた新しい販売スタイル」でコスメ業界に旋風を巻き起こしている注目のスタートアップ企業だ。ミレニアル世代を中心にSNS(交流サイト)で火が付き、爆発的な人気を誇る。

 だから行列ができるといっても、店舗はむしろ後付けだ。もともとは、創業者のエミリー・ワイス氏(34歳)が「消費者の声を直接、反映させたコスメを作りたい」と始めたブログによるオンライン通販だった。ワイス氏は元モデルで、テレビのリアリティー番組にも出演していた。

 ちなみに同氏は「アマゾン・ドット・コムに美は売れない」と公言している。アマゾンはどちらかというと決まった製品をより簡単かつ安く購入するのに向くが、同社はもっと顧客とのつながりを太く強くすることで販売を伸ばしている。現在も販売はほぼオンライン。同社が運営するSNSのフォロワーは現在、インスタグラムだけで250万人以上で、18年の売上高は1億ドルを超えた。創業4年目で、である。

ミレニアル世代の心をわしづかみ

 ミレニアル世代は、コスメに限らずどんな業界でも未来の消費を支える重要な層だ。グロシエが開発した新モデルは、あらゆる業界のスタンダードになる可能性が高い。

 「“おじさん”こそ必見」と銘打ったのはこのためだ。筆者も長年、男性に囲まれて仕事をしてきて、読者に中高年の男性が多い媒体渡り歩いてきたこともあり、頭の中がすっかり“おじさん(「おばさん」は事実として受け入れている)”化した。だから、下の写真のような男性陣の気持ちはよく分かる。

家族のために来店した男性陣。その表情から「忍耐」の文字が透けて見える

 でも、だからといって目を背けてはあまりにもったいない。もしニューヨーク(ロサンゼルスや英ロンドンにも店舗はある)に行く機会があれば、店舗を訪れるとたくさんの「仕事に役立つ学び」が得られる。そして、できれば奥様や娘さん、彼女のために購入もしてほしい。購入してみて初めて、グロシエモデルの醍醐味が分かるからだ。そして、「お父さん、すごい!」の声もおまけに付いてくるはずだ。グロシエによると、日本市場への進出は今のところ考えていないという。それだけに希少価値が高く、喜ばれる可能性は高い。

 では早速グロシエモデルの販売手法を見ていこう。

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January 09, 2020 at 03:10AM
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