11日正午ごろ、東京都品川区のJR五反田駅近くの路上で「男性が刃物で刺された」と通報があった。警視庁大崎署は殺人未遂の疑いで風俗店店員、上野晶容疑者(39)を現行犯逮捕した。署によると、刺された男性(26)は腕や腹にけがを負い病院に搬送されたが、命に別条はない。2人は職場の上司と部下とみられ、何らかのトラブルがあったとみて調べている。

現場は五反田駅東口のロータリーに面した繁華街の一角。現場から約80メートルには交番がある。現場近くの飲食店店員によると、事件発生当時、サイレンの音が鳴り響き、店の前が通行止めになったという。

飲食店店員が現場を見に行ったところ、事件を目撃した通行人が警察官に様子を証言していた。目撃者は「刺された人が上着を路上に脱ぎ捨て、交番まで歩いて逃げていった。その後、犯人と思われる眼鏡をかけた男が騒いで追い掛けていった」と説明。「刺された瞬間を見た人が怖くなって通報できずに、タクシーの運転手が通報していた」とも話した。

別の近隣住民によると、事件は有楽街付近で始まり、「犯人はロン毛で細身の男性だった。最初はナイフではなく、傘で刺していて、交番に逃げた後には、折れ曲がった傘と靴が残っていた」と話した。

現場には規制線が張られ、交番付近には被害者のものとみられる血痕が大量に流れていた。【佐藤勝亮】