昨年の7月に南天全域の観測を終え、北天の観測を行っているNASAの系外惑星探査衛星「TESS」。先日もその観測データから地球サイズの太陽系外惑星が見つかったことをお伝えしましたが、今度は2つの恒星を周回する系外惑星(周連星惑星)が見つかったとの研究成果が発表されています。
■明るさが変わる食連星の観測データから系外惑星の証拠を発見
連星を公転する系外惑星が見つかったのは、南天の「がか座」の方向およそ1300光年先にある連星系「TOI 1338」です。TOI 1338には太陽の「1.1倍」と「3分の1」の質量を持つ2つの恒星があり、約15日周期で互いの周りを巡り合っています。
今回TESSの観測データから発見された系外惑星「TOI 1338 b」は、土星と海王星の中間くらいの大きさとなる、地球のおよそ7倍のサイズを持っています。その軌道は連星の影響を受けており、公転周期は93日から95日の間で変動しています。
TOI 1338には、当初は系外惑星が存在しないとみられていました。TESSの観測データから系外惑星を探す市民科学プロジェクト「Planet Hunters TESS」でも、TOI 1338の明るさの変化は「食連星」(※)に分類されていたといいます。
※…互いに周回し合う恒星どうしが重なり合って見えることで、周期的に明るさが変化する連星のこと。食変光星とも。
しかし昨年、NASA・ゴダード宇宙飛行センターのインターンシップに参加していたWolf Cukier氏が食連星に分類されていたTESSの観測データを確認していたところ、TOI 1338の明るさが変わるタイミングに、食連星に由来するものとは異なるパターンを発見。Veselin Kostov氏(ゴダード宇宙飛行センター)らの研究チームがデータを詳細に分析した結果、このパターンが観測機器の異常等によるものではなく、TOI 1338 bが大きいほうの恒星を横切った際に観測されたパターンであることが確認されました。
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January 11, 2020 at 07:24PM
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