秩父宮記念公園母屋の屋根、修復費募る - 東京新聞

かやぶき屋根に傷みが目立つ秩父宮記念公園の母屋＝御殿場市で

　御殿場市は、秩父宮記念公園（同市東田中）の母屋のかやぶき屋根をふき替えるため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディング（ＣＦ）を実施している。寄付額を活用し、二〇二一、二二年度にふき替え作業を行う計画だ。　（佐野周平）

　市によると、母屋は約三百年前に建てられた木造平屋を移築し、秩父宮夫妻が一九四一年から約十年間住んでいた。延べ床面積は約二百平方メートル。同公園の中心的な建物で、来園者は中を見学できる。

　近年はかやぶき屋根のかやが落ち、松などの植物が生えている部分が目立っていた。市は昨年度、二〇〇〇年以来となる大規模なふき替えを検討。昨年度にも同様のＣＦを実施し、約二千四百万円が寄せられた。ふき替えには三千数百万円がかかる見込みで、本年度のＣＦで不足分を集める。

　募集期間は十一月二十日から九十日間。ふるさと納税サイト「ふるなび」を利用し、市外の寄付者には額に応じて地場産品などを返礼品として贈る。今月二日現在で既に六百六十万円近くが寄せられている。

　総寄付額がふき替え費用を上回った場合、ふき替え作業を紹介するＰＲ映像の作成や屋根裏の補修などに充てる。

　公園の敷地面積は東京ドームの約一・五倍に当たる約一万八千坪。一九九五年に秩父宮妃が亡くなって市に遺贈され、二〇〇三年に開園した。四季折々の花々を楽しむことができ、一九年度は約十万人が来場した。市の担当者は「歴史的に重要な施設を後世に伝え、観光拠点としての位置付けも高めたい」と語る。

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