東京大学は22日、19時間で公転する超短周期の海王星型惑星を初めて発見したと発表した。
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■存在するはずのない惑星領域「ネプチュニアン砂漠」
惑星は、岩石から構成される地球型惑星、水素が主成分の木星型惑星などに分類される。天王星や海王星は木星型惑星と異なりメタンが主成分のため、天王星型惑星と呼ばれる。
海王星や天王星は太陽から離れているため、メタンや水等の成分が宇宙空間に放出されることなく維持できる。他方、太陽に近い惑星の場合、恒星の重力や、恒星から放出されるX線や紫外線の影響で大気は惑星から吹き飛んでしまう。木星のような巨大な惑星は自らの重力で大気を維持できる一方、「ネプチュニアン砂漠」と呼ばれる海王星ほどの大きさの惑星の存在は珍しい。とくに24時間未満という超短周期で公転する海王星ほどの大きさの惑星は、地球型惑星や木星型惑星と異なり、これまで発見されてこなかった。
■いずれ地球型惑星へと進化
東京大学の研究者らから構成される国際研究グループは、米航空宇宙局(NASA)が2018年に打ち上げたトランジット系外惑星探査衛星(TESS)と地上望遠鏡による観測で、公転周期が19時間しかない海王星ほどの大きさの惑星LTT 9779bを発見した。太陽から260光年彼方の恒星LTT 9779の周りを公転するLTT 9779bの温度は、摂氏1,700度と超高温だ。
TESSは、惑星が主星の前を通過する「トランジット」と呼ばれる現象を利用して、太陽系外惑星を探査する。だが恒星同士による蝕現象の可能性もあるため、地上の望遠鏡で追観測が実施された。南アフリカ赤外線天文観測所(IRSF)で追観測した結果、水素を主成分とする惑星であることが判明した。
今回、長短周期で公転する惑星で「ネプチュニアン砂漠」の領域に位置する天体が発見されたことは、これまで存在しないとされてきた説明と矛盾するものだ。研究グループは、LTT 9779bがほかの惑星によって現在の軌道に移動した惑星であり、今後水素を含む大気が吹き飛ばされ地球型惑星へと進化するのではないかと予測している。
研究の詳細は、英科学誌Nature Astronomyに21日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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September 26, 2020 at 07:29AM
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