「持ち帰りOK」のサインを掲示したカフェ。弁当を販売している=大分市府内町
【大分】持ち帰りOK―。大分市のデザイナーが地元の印刷会社と連携し、弁当販売や料理のテークアウトをしている飲食店が一目で分かるサイン(表示)を作った。新型コロナウイルスの逆風に負けまいと奮闘している店を応援しようと、無料で配布。「店頭に貼ったり、ダウンロードしてSNS(会員制交流サイト)の告知などに使ってほしい」と呼び掛けている。
サインを作ったのはデザイナーのたなかみのるさん(35)=パラボラ舎代表。買い物袋の絵に日本語と英語で「持ち帰りOK」の文字を配したデザインで、シンプルさを心掛けたという。
3月の初め、知り合いの飲食店主から「コロナの影響で売り上げが減り、苦労している」と聞いた。県内有志や自治体によるSNSを利用した支援が広がりつつあった頃で、「自分もデザインの仕事を生かし、何かサポートできないか」と考えた。
急場をしのぐため、弁当を販売する店が増えていることに着目。乳児がいる自身も外食を控えており、持ち帰りサービスには助けられていた。
「持ち帰りできるのを知られていない店は多い。共通のサインがあれば広く認識してもらえ、新規客の開拓にも役立つはず」と作成に取り掛かった。
思いに賛同した高山活版社(同市)の高山英一郎社長(40)が印刷を無償で請け負い、A4サイズのサイン1200枚が完成。市内の各商店街に配布したところ、店頭に掲げる店が増えていった。
サインが客足回復の〝特効薬〟になるわけではない。それでも府内五番街商店街振興組合の安達了剛(としたか)理事長(47)は「どうしたらいいのか戸惑う店が多い中、頑張らなければと背中を押してもらっている」と感謝する。
津久見市観光協会が展開する持ち帰りキャンペーンなどでもサインは活用されているという。
たなかさんと高山社長は「厳しい状況が続くが、地域の店をみんなで支えたい」と話している。
サインは、パラボラ舎のウェブサイトpara-base.netからダウンロードできる。
※この記事は、4月18日 大分合同新聞 11ページに掲載されています。
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April 18, 2020 at 01:06AM
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