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対面販売は強みから弱みへ、「お店」の新たな価値探る - 日経ビジネス電子版

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新たなウイルスの猛威によって、消費者の生活は一変した。「対面販売」が強みだった店舗は、その価値の再定義を迫られている。一部の企業は、売り上げの激減を補おうと新たな価値の創出を模索し始めた。

ホームセンター大手のカインズは4月13日、顧客がネットで注文した商品を希望の店舗で受け取れる、取り置きサービスを、計画よりも約1カ月前倒しして開始した(写真=的野 弘路)

(写真=的野 弘路)

 政府が東京都や大阪府など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令してから1週間弱が経過した4月13日。ホームセンター大手のカインズは全国の約220店舗で、自社のEC(電子商取引)サイトやアプリで注文があった商品を指定された店舗で確保しておく、取り置きサービスを導入した。顧客が自分で決めた日に店舗のカウンターに行けば、その場で商品を受け取れる仕組みで、「短時間で、必要なものを確実に手に入れられる」と好評だ。

 ネット通販は、自宅にいながら商品を受け取ることができるものの、「今すぐ手に入れたい」というニーズには対応できない。取り置きであれば、ホームセンターの広い店内で探し回る手間が省け、滞在時間が短くなるため不特定多数の人とすれ違う可能性も減る。

 ホームセンターの生活必需品売り場は、東京都などの休業要請の対象外となっている。カインズもペットなどの一部売り場を閉じ、営業時間を短縮したうえで、店を開け続けている。

 同社はもともと、5月に取り置きサービスを全店導入する予定だった。しかし、来店客と従業員の新型コロナウイルスへの感染リスクを抑制しながら、必要な物を買える手段を早期に確保することが不可欠と判断。サービスの導入を約1カ月前倒しした。

 カインズが取り置きサービスを前倒しで全店に導入できた背景には、2019年から本腰を入れて始めたデジタル化戦略の浸透がある。

 同社は同年7月に元日本オラクルの池照直樹氏を本部長とするデジタル戦略本部を設置し、約30人のエンジニアを別会社で新たに採用した。同8月には、会員向けアプリを刷新し、従来のカード会員に対してアプリ利用を促した。当時70万人のアプリ会員は20年3月には135万人へとほぼ倍増した。その間、店舗で働く従業員とは「アプリ会員を増やす」というシンプルな目標を共有し、店舗を含む会社全体でデジタル化を進める素地を作った。

 並行して、多くて12万~13万点にも及ぶ各店舗の商品在庫のデータを使いやすいように加工し、アプリ上で店舗在庫を見えるようにするなどの機能を追加した。

日経ビジネス2020年5月4日・11日号 34~37ページより

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