公園で子どもが遊び、ママは青空テレワーク――。千葉県流山市で12日、新型コロナウイルスの感染拡大防止で休校中の子どもと母親ら総勢16人が一緒に公園に出かけ、一部の母親らがキャンプ用の机にノートパソコンを広げて働いていた。休校で子どものストレスがたまる一方、いつも通り働けず仕事がたまりがちなママも多い。「みんなで協力しながら楽しく乗り切ろう」。先行きが見えない中、全国の働くママが踏ん張っている。
流山市は都心のベッドタウンとして子育て世代が多い。広大な市総合運動公園は児童生徒や保護者らで連日にぎわっている。
「待てー！」「つかまえたー！」 子どもたちが一緒に鬼ごっこをしていた。流山市や隣の柏市に住む小学生ら10人が遊び回る。ママ6人の時間の使い方はさまざまだ。▽子どもを公園に残しオフィスで仕事▽午前休を取って公園で子どもの見守り▽公園でテレワーク――。
3組に分かれて午前中を過ごす。昼はみんなでシートを広げてランチ。「ピクニック楽しいね」。男の子がはしゃぐ。
ママたちの職種はさまざまで、流山市内のシェアオフィス「トリスト」に入居し、普段から勤め先などと連絡をとりながらテレワークで働いている。トリストは市内で休校が始まった3日からオフィス内に子どもの専用スペースを置いた。「いつもと違う体験を」と先生役の大人を招き、布製マスクづくりやクイズ大会などの「授業」も企画している。
一方で、子どもたちには外遊びが欠かせない。トリスト代表で2児の母、尾崎えり子さん（36）は心配した。「子どもたちもエネルギーを発散しないと徐々に死んだ魚のような目になっていく」
そこで、公園でのテレワークを決断したという。「たまっていた仕事がはかどり、何より子どもたちが楽しそうでよかった」
小学2年の仲宗根叶大（かなた）さん（8）も学校の休み時間にするような外遊びができず、日増しに退屈になってきたという。この日は鬼ごっこやアスレチック、ボール遊びなどをたっぷり楽しみ、声を弾ませた。「いろんな友達や大人と遊べて楽しかった。またみんなで行きたい」
ママだけではない。尾崎さんの知人で、有給休暇を取得中の東京都内の会社員、渡部優也さん（23）も駆けつけ、子どもたちの遊び相手をした。「（自分は独身のため）休校の影響を公園に来て実感した。少しでも役に立ててよかった」と笑顔で話す。流山市の自営業、福田有紀さん（48）も子どもはいないが、キャンプ道具を貸し出しに来てくれた。
政府の休校要請をめぐっては「公園など外遊びはいいのか」との声が相次ぎ、文部科学省は休校要請から10日後の今月9日、風邪などの症状がなければ「屋外での運動や散歩を妨げるものではない」とする見解を、全国の教育委員会などに通知した。【尾崎修二】
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March 13, 2020 at 03:59PM
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