「急降下だ!」。3月上旬、市内の小学2年の男児(8)は中腰の状態のまま足の裏でプリン山を滑り降りてきた。「ここめっちゃ速いよ」。幼稚園に通う6歳の双子の兄弟は、滑る面を下から駆け登ろうと何度も挑戦。子どもの頃に自身も遊んだという会社員の父親(39)は「大人が想定していない遊びもできて面白いんじゃないかな」。
友達と横一列に並んで滑っていた市内の小学5年の宮沢胡花(こはな)さん(11)は「(プリン山が)もーっと大きくなったらいい」と話した。
市公園緑地課によると、プリン山は1984(昭和59)年度に設置。円すいの上部を切り取ったような形で、高さは約3メートル。滑る面は黄みを帯びたクリーム色で、側面の3分の2ほどには石や金属製の取っ手が埋め込まれている。何度か補修もしてきたという。正式な名前は「石の山」。
一方、信濃美術館は2021年春の再開館に向けて改築が進む。市の計画で、同館と一体的に再整備されるプリン山一帯の広場は「芸術」と「文化」がテーマ。このため「プリン山は異色になる」などとし、市は撤去を決めた。16日以降に、工事に向けて周りを囲う予定という。
近くの善光寺保育園の園児たちも散歩でよく訪れてきた。最初は怖がる子も、徐々に1人で積極的に滑るようになるといい「チャレンジしてできたという自信」を得られる―と主任保育士の牧野さゆりさん。上手に滑り降りるには体幹がしっかりしている必要もあるといい、「体も気持ちも成長を感じる遊具です」。
繰り返し滑る7歳と5歳の息子、側面をよじ登る2歳の娘を見守っていた長野市安茂里の黒柳麻衣子さん(33)は「公園に来ると必ず来る。別の場所に移してもらえるとうれしい」と話した。
(3月14日)
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March 14, 2020 at 07:03AM
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姿消す長野市城山公園の「プリン山」 信濃美術館改築の一帯整備で - 信濃毎日新聞
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