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No one agrees what it means for a planet to be “habitable” - MITテクノロジーレビュー

科学者のグループが2019年9月、太陽系から110光年離れた系外惑星「K2-18b」の大気中に水蒸気を発見したと発表した。重要なのは、この惑星が、恒星の「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域:液体の水が地表に存在するのに十分適した温度となっている、恒星の周辺の領域。「ゴルディロックスゾーン」とも呼ばれる)」内に位置していたことだ。しかし、「ハビタブルゾーン」という用語の使用にはかなり議論の余地がある。人間がK2-18bで生きられないことは確かであるとして、極端な環境下に生きる何らかの微生物がこの惑星で発見できるか否かについて、専門家間での合意はほとんどない。K2-18bは「ハビタブルゾーン」にあるのかもしれないが、本当に「居住可能」なのかどうかは誰も明言できないだろう。

この論争の一因は、K2-18bがどういう惑星なのかについての統一見解を私たちが持っていなかったことにある。しかし、「ハビタビリティ(生命居住可能性)」を定義づける方法が多数あることも、意見の食い違いを生む原因となっている。生物が存在可能であるには岩石の多い地表面が不可欠と考える科学者もいれば、風に舞う塵に乗って空中を飛ぶバクテリアのような形態をとる微生物が大気中に存在するかもしれないと考える科学者もいる。層の厚い温かな地面が必要だとする者もいれば、その条件が必要かどうかは確信できないとする者もいる。

こうしたことは、特に驚くほどのことではない。「ハビタビリティ」は曖昧かつ専門的な用語だ。100人の科学者に向かって「惑星が居住可能となる条件を定義してください」と言えば、100通りの異なる回答が返ってくるだろう。

「これまでに分かったことは何か、実際に惑星のモデリングをするのにどういった手持ちの技術が使えるかということを主軸として、多くの議論が交わされてきました」。ワシントン大学バーチャル惑星研究所(Virtual Planet Laboratory)に所属する天文学・宇宙生物学者のロリー・バーンズ助教授はそう語る。

比較的最近になるまでは、太陽系外に惑星が存在するのが一般的なことなのかどうかもよく分かっていなかった。天文学者による発見はいくつかあったものの、2009年に米国航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡が運用開始され、主星の前を通過する惑星を特定するための優れた手法がもたらされるまで、太陽系外惑星の研究が本格的に進展することはなかった。

観察から得られるデータは非常に限られていた。たとえば2007年、科学者らは太陽系外惑星として初めて、「グリーゼ(Gliese)581c」を発見した。この惑星は岩石の地表を持ち、ハビタブルゾーン内に位置していた。「当時はこの2つの要件さえ満たしていれば、朝ベッドから起きだして注意を向ける価値があると考えられていたのです」とバーンズ助教授は語る。

私たちが身をもって知っている通り、生命には水が不可欠であり、だからこそ水の有無は注目すべき新たな惑星を絞り込むための非常に有効な第一歩となった。だがその一方で、炭素源、エネルギー源、必須栄養素など、水以外の必要条件を無視していたと、シカゴ大学の惑星研究者、ステファニー・オルソン助教授は言う。

水以外の要件を満たさない惑星は、実質的には冥王星と同じくらい居住には適さない。しかも、惑星がハビタブ …

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