福岡市中央区天神地区の再開発事業「天神ビッグバン」に伴い、商業施設「天神ビブレ」が11日に閉館する。館内には閉館までの日数をカウントダウンするポスターなどが掲示され、若者向けのファッションや雑貨を取りそろえる多くの店で「44年間分のありがとう」と銘打ちセールを実施。別れを惜しむ買い物客らが訪れている。
ビルは1976年に建設され当時から残る店は数少ない。地下1階の漢方薬専門店「天心堂薬局」は、かつてビブレの地にあった因幡町商店街時代から経営する。代表の小栗延子さん（79）は「創業の地を離れるのは寂しいけれど、生まれ変わっていく天神を見守っていきたい」と話す。
同商店街は47年、焦土と化した地に築かれた。天心堂は50年に創業。小栗さんは64年から経営に携わる。婦人服店、飲食店、家具屋などがそろった商店街は71年には大火に見舞われ、時代の流れで若者を対象にした商業ビルに建て替わった。顔なじみの店主も代替わりや高齢化で店を畳むなどし減っていった。
天神の街で天心堂は長年漢方一筋で健康相談に応じてきた。小栗さんは「体の悩みだけでなく人生相談を受ける時もあった。学ぶことが多く、ここまで来られたのはお客さんのおかげ」と振り返る。
閉館が決まり、客から店の存続を望む声が多く寄せられた。小栗さんは「もう少し皆さんのお役に立てるよう頑張りたい」と、愛着のある天神1丁目に移転先を求め、3月上旬から明治通り沿いのフコク生命ビルで営業する。
ビブレと周辺ビル一体の建て替えが完了するのは2024年ごろ。小栗さんは「素晴らしいビルができてほしい。それまで元気に過ごしたい」と期待している。【山崎あずさ】
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February 07, 2020 at 08:29AM
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1950年創業の漢方店「天心堂」移転へ 商店街時代から天神見守る ビブレ11日閉館 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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