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【2月18日付社説】尾瀬国立公園/魅力磨いてファン層拡大を - 福島民友

 「みんなに愛され続ける尾瀬」について改めて考え、魅力を磨き上げていく契機と捉えたい。

 本県と群馬、新潟、栃木の4県にまたがる尾瀬国立公園の昨年の入山者数が25万人を割り、環境省が統計を取り始めた1989年以降で最少となった。前年比約2万2千人減で、環境省によるとミズバショウなどが見ごろとなる6~7月に雨が多かったことと、台風19号が影響したとみている。

 気掛かりなのは減少傾向が続いている点だ。背景には、かつての尾瀬ブームを支えてきた入山者が高齢化し、レジャーが多様化していることなどがあるとみられる。

 入山者の減少は、世界に誇る自然の宝庫を守り、木道や登山道を適切に管理する地域の力が弱まることにつながりかねない。環境省はじめ県、周辺自治体、民間団体が手を携え、入山者増に知恵を絞っていくことが重要だ。

 尾瀬入山者の約6割を50~60代が占める。県は、会員制交流サイト(SNS)を使ったキャンペーン、動画投稿サイト「ユーチューブ」への配信や、檜枝岐村でのイベント開催などで若い世代に向け尾瀬の魅力を発信しているが、多くの入山者を呼び込むまでには至っていない。

 ガイドと一緒に早朝の散策で湿原を巡り、ランチをゆったり食べて、夜は星空観察を楽しんでもらうといった滞在型や、周辺の観光地と組み合わせた周遊型のツアーを充実させていく必要がある。付加価値を高めた楽しみ方を提案し、ファン層を広げていきたい。

 立地条件や交通の便の良しあしもあり単純に比較はできないものの、全国で外国人旅行者に人気の国立公園は多い。日光、支笏洞爺、富士箱根伊豆の各国立公園などは前年比で大きく伸びている。

 8千年かけて形作られた本州最大の高層湿原が広がり貴重な植物類が分布する尾瀬を、より多くの外国人旅行者にアピールしていくことが不可欠だ。環境省や県、周辺自治体には案内板などの多言語化、対応できるガイドやボランティアの育成など、受け入れ環境の充実に力を尽くしてもらいたい。

 尾瀬の未来を考えていく上で根底にあるのは、自然保護運動の原点と言われる尾瀬を守り次世代に伝えていくことだ。2年前にまとめられた「新・尾瀬ビジョン」は、「みんなの尾瀬を みんなで守り みんなで楽しむ」ことを行動理念に掲げる。

 尾瀬は、訪れるたびにさまざまな表情を見せ、入山者を魅了する。自分なりの尾瀬とのつきあい方を見つけてみよう。

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February 18, 2020 at 06:32AM
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