かわいい女の子とTCGできるお店があったら、どうする？――都内屈指の歓楽街にオープンしたちょっと怪しい（？）ショップ「TCG池袋ダンジョン」体験レポート！【後編】 - 電撃ホビーウェブ

2019年の11月が終わろうとしていた時である。筆者Twitter上のタイムラインに、とあるツイートが流れてきた。

本日19時からTCG池袋ダンジョンがオープン致しました🎉
明日は13時から22時まで開店致します！✨
現在ご予約殺到中なので、ご予約はお早めに＼(^-^)／#tcg池袋ダンジョン #遊戯王 #デュエマ #ポケカ #求人募集中 pic.twitter.com/7PwBSK6xlv

— 【公式】TCG池袋ダンジョン (@dungeon119) November 29, 2019

「なんだ？このお店は……？」店名からしてトレーディングカードゲーム（TCG）に関連する業態なのだろうが、とてもカードショップには似つかわしくない、怪しげなピンク色のライトで照らされている。この得体の知れない店に興味を惹かれた筆者は、ツイート主のプロフィールへと飛んだ。いわく、「若くてかわいらしい女性デュエリストたちとカードゲームで交流を深めていくお店☆」、らしい。

▲公式サイトに掲載されているスタッフさんたち。本当にこんなかわいい女の子とTCGできるんですかァ～ッ!?

その瞬間、点と点が線でつながった。池袋といえば、東京都内最大級の歓楽街としても知られている。「つまり……ここは？……ナニが？……どこまでできる店なのか……？……あんなことや？……こんなことまで……？」と、筆者の脳内も一気にピンク色のライトで照らされてしまった。これは、その実態を一度、確認せねばなるまい。意を決した私は、編集会議で手を挙げた。「かわいい女の子とカードゲームできるお店があったら、どうする？」

――というわけで今、一部のカードゲーマーたちから注目を集めるお店「TCG池袋ダンジョン」の体験レポートをお届けしていきます。冒頭でも軽く触れましたが、こちらのお店は今までありそうでなかった、女性キャストさんたちとのカードゲームが楽しめるお店。2019年11月29日にオープンしたばかりで、営業時間は13時から22時までとなっています。念のため申し上げるといかがわしいところのない健全なお店ですが、それでも池袋という土地柄も相まって、敷居の高さを感じてしまうのも確か。お店のシステムをご紹介した前編に続き、本稿ではスタッフさんのガチな一面や、お店を立ち上げた経緯などを聞けたインタビューをお届けします！

（⇒かわいい女の子とTCGできるお店があったら、どうする？――都内屈指の歓楽街にオープンしたちょっと怪しい（？）ショップ「TCG池袋ダンジョン」体験レポート！【前編】）

▲左から、取材に応じてくれたキャストのわさ（@ScavengingOoze）さんと、店長のあうぃん（@tcgdungeon_awin）さん。

「（大会に出るので）2週間くらいシフトに入れません」って言われます（笑）

――対戦ありがとうございました。すっかり時間を忘れて楽しんでしまいました。オープンしてからお客さんの反応はいかがですか？

わささん：遊びに来てくれた方はDMをくれますね。「今日はありがとうございました。楽しかったです」って言っていただけて。ほとんどの方が次回の予約もしてくれます。（料金も）安くはないじゃないですか。「このお金があったらパック剥けるぞ」って（笑）。だから、頑張らなきゃという気持ちは強いです。

――開店からおよそ1カ月が経とうとしていますが、手応えはどうですか？

わささん：知らないカードゲームを覚えるのは純粋に楽しいですね。ただ、分からなくて申し訳ないなって思うところもあります。

――ルールを教えながら遊ぶのも楽しいものですよ。お客さんが遊んでいかれるタイトルとしてはどの作品が多いのでしょうか？

あうぃんさん：「遊戯王」ですね。予約を受ける時にどのカードゲームを遊ばれるのかお聞きしていますが、ダントツです。次点で「デュエマ」じゃないでしょうか。日本の市場規模がそのまま表れているように思います。

――わささんは元々、カードゲーマーだったのでしょうか？

わささん：3年くらい前に、知り合いから「マジック・ザ・ギャザリング（MTG）」を勧められてずっとプレイしています。チャンドラっていうキャラがいるんですけど、嫌なことがあるとすべて燃やし尽くしちゃうような子で、私と性格がそっくりなんですよ（笑）。彼女が主人公のマンガもあって、本当に好きになっちゃってハマりました。「EDH」っていう同じカードを入れられないフォーマットがあるんですけど、全部違うチャンドラを入れたデッキを使ってました。

――本当にチャンドラがお好きなんですね。わささんはほかにも「デュエマ」がプレイできると聞いています。

わささん：「デュエマ」と「ポケカ」は1年くらい前にちょっとプレイしてた時期があって、リハビリしてるような感覚です。「遊戯王」は勉強中ですね。

――そもそも、どういうきっかけでここで働くことに？

わささん：Twitterでお店のことを知って、自分から申し込みました。元から休日はカードゲームばっかやっていたので、どうせならお金がもらえた方がいいなと（笑）。平日は事務の仕事をしていて、土日だけ出てきています。

――スタッフの女の子同士はどのような雰囲気ですか？

わささん：仲はとても良いんですけど、プレイできるタイトルがまちまちなのでお互いに教え合ってますね。しっかり対戦する感じではないです。

あうぃんさん：それでも得意なタイトルにはガチな子も多くて、今日なんかはひとり、ポケカのチャンピオンズリーグに出ていますね。それで「2週間くらいシフトに入れません」って言われたり（笑）。もちろん、カジュアルにカードゲームを楽しみたいっていう子もいますが、お客さんとのニーズが合えばガッツリ対戦できる子も紹介できます。

男女で対戦してお互いを高め合うっていうお店はないなと思ったんです

――ここからは、「TCG池袋ダンジョン」が誕生した経緯についてお聞きできればと思います。

あうぃんさん：1～2年ぐらい前に、ポケカが急激に流行った時期があったじゃないですか。あのタイミングでカードゲームをやる女子も一気に増えたんですけど、やっぱり女の子にとってはまだまだ敷居が高くて。だから、女の子が存分に対戦できる下地を作りたかったというのがまずあります。その一方で、「女の子と対戦したい」という男性カードゲーマーからの需要も間違いなくあって、そこのマッチングに注目しました。TCGバーみたいな形態のお店は増えつつありますけど、男女で対戦してお互いを高め合うっていうお店はないなと思ったんです。だから、スタッフには「ガチでカードゲームを頑張りたい」っていう女の子たちを呼んでます。

――正直、「怪しいお店なのかな？」という印象もなくはなかったので、カードゲーマー女子を取り巻く環境への視点も盛り込まれているのが意外でした。ただ、こういうお店なら秋葉原にオープンしそうなイメージがあるのですが、なぜ池袋だったんでしょうか？

あうぃんさん：何しろ初めての業態ですし、出勤できる女の子次第でお客さんが遊べるタイトルも変わってしまうので、市場として成熟している秋葉原にいきなりオープンするのはリスクがありました。正直、お店が回らないだろうなって思ったんです。それで、秋葉原まではいかないまでもカードショップが多く、カードゲーマーが集まりやすい池袋に出店してみようということになりました。「女の子と何かして遊ぶ」っていうことにも寛容な街で、そういった意味も大きいです。ゆくゆくは秋葉原にも出店したいですね。

――将来の目標についても少し話が出たところで、最後に今後の展望についてお聞かせください。

あうぃんさん：まずは簡単な工事をして、テーブルごとにしきりを作って女の子との半個室空間を作りたいですね。カードショップとしての側面も打ち出していくつもりなので、ショーケースをおいてカードのシングル販売をしたり。今後は夜時間帯にお酒の提供もできるよう、いろいろと準備しています。大枠では、デュエルスペースの貸し出しや動画撮影用の特別席なども設けて、対戦動画の撮影やゲストを呼んで情報発信もしていきたい。

わささん：私は、お店でボードゲーム大会を開くのが夢です！

あうぃんさん：アナログゲーム全般を扱うお店もあるし、可能性はありますね。ウチの根幹は「女の子と一緒に楽しむ」というところです。

――ありがとうございました！

DATA

TCG池袋ダンジョン

所在地：東京都豊島区東池袋1-31-16 東商ビル9F
営業時間：13時～22時
システム：レッドクイックコース（30分1,200円）／イエローコンテンツコース（90分3,000円）／ブルーハンターコース（180分5,000円）／指名料（1,000円～）
完全予約制・予約は公式Twitter（@dungeon119）のDMへ