忙しい12月を乗り切り、年が明けて迎えた新年会シーズン。年末までの慌ただしさに比べると、新年会に向けた集客対策はあまり積極的に行われないことが多く、通常営業の店も少なくない。しかし飲食店にとって新年会は、リピーター獲得につながる重要なイベントだということも忘れてはならない。
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新年会はリピーター獲得の大きなチャンス
飲食店にとっては、年末に行う大きな宴会が「忘年会」、年明け以降に行う小規模な宴会が「新年会」という認識だろう。しかし、忙しい年末にはあえて忘年会を行わず、代わりに新年会を盛大に行うという企業もある。忘年会シーズンに力を注ぎすぎた反動で新年会の対策をおろそかにしてしまうと、せっかくの顧客獲得のチャンスを逃してしまうことにもなりかねない。
また、忘年会と比較して、新年会は少人数で行うイメージが強いため、収益の面でも忘年会の方を重要視したくなるのは当然だろう。しかし、少人数の新年会であれば、よりきめ細やかなサービスを提供できるため、場合によっては忘年会以上に顧客満足度が上がる可能性も。いずれの宴会でも、お客の大半は幹事の決めた店に初来店するわけだが、初めて行った店で満足のいく料理とサービスが受けられれば、リピーターとして再び店を訪れる率は高くなる。こうしたことからも、新年会は顧客を増やすチャンスなのだ。
新年会で集客を狙うための対策とは?
新年会の集客を行うために、質の高い料理やサービスを提供することはもちろんだが、改めてお客の目線に立った対策を行うことが大切だ。
■新年会プランの告知は、あえてオフラインで
集客を目的とした販促の手段として、WebサイトやSNSなどオンラインでの告知も重要だが、新年会においては店頭ポスターやチラシの配布など、オフラインでの情報発信がより効果的になる。理由は、会社や友人などが集まって新年会を行う場合、会場は自宅や会社からあまり離れていない方が好まれる傾向にあるため。普段から行動している範囲であれば、店の雰囲気や料理などを知っていることも多く、年明け早々にまたも店選び……と感じている幹事の選択肢に入りやすくなるからだ。オンラインで幅広いターゲットに向けて告知を行うよりも、すでに来店している顧客からの集客を視野に入れよう。
■分かりやすいコース・メニュー名を設定する
予算に合わせ、複数のコースを設定している店も多いだろう。そこで工夫をしたいのが、コースのネーミングだ。よくある「Aコース、Bコース」よりも、「舟盛り&寄せ鍋で旬の魚介を食べ尽くす!飲み放題付きプラン」のように具体的なコース名を掲げた方が、顧客にとって分かりやすい。また、コースの全体の写真と個別料理を記載したメニュー表や、飲み放題に適応されるドリンクメニュー表を用意しておくと、店側だけでなく幹事の負担も軽減される。
■時代の変化に合わせた「ランチ新年会」の提案
忘年会や新年会は、終業後の夜からスタートするのが一般的だ。しかし、近年ではランチタイムを利用した、コンパクトな新年会を行うケースも増えてきている。新たなランチ新年会を提案することで一定の来客が見込めるほか、リピーターの獲得につながるかもしれない。リーフレットなどを作成したらランチ時の顧客に手渡しし、次の予約につなげよう。
■時期をずらした新年会は、割引料金で
新年会は仕事始めの最初の週末や、翌週末などに集中しており、1月中旬を過ぎると開催は減少傾向にある。しかし、年末年始や1月中は多忙で新年会を行えない企業も当然あるというところで、時期をずらした開催を呼びかけるのもひとつの手だ。1月中旬以降は通常の新年会プランよりも価格を割り引くなど、さらにお得な提案をすることで集客を狙いたい。
新年会客をリピーターにするコツとは?
ここまで、新年会は顧客獲得のチャンスと述べてきた。では、具体的にどのようなことをすれば良いのだろうか?
■新年会特別クーポンの発行
新年会の来店客に向けたクーポンの発行は、ぜひとも実践してほしい。リピートしてもらうためには、幹事に人数分をまとめてクーポンを渡すのではなく、顧客一人ひとりに渡した方が確度は高くなる。顧客が帰る時に手渡しする、最後のデザートと一緒にクーポンを渡すなど、渡す方法やタイミングを工夫すると良いだろう。
■SNSでシェアしたくなる豪華なメニュー
見た目にも豪華で、写真を撮りたくなるような料理をコースに入れることで、料理の写真がSNSにアップされ、情報の拡散が期待できる。一人前の通常メニューと比較しても、大人数向けのメニューであれば、ボリューミーかつ豪華に盛り付けることができ、SNS映えする料理に仕上げることができる。
■幹事とのコミュニケーション
新年会を取りしきる幹事が店を気に入ってくれれば、別の機会でも店を利用してもらえるチャンスが広がる。幹事が新年会を円滑に進められるようサポートすることで、継続的に利用してもらえる可能性も出てくるだろう。
忘年会と同様、新年会も新規客やリピーターの獲得につながるきっかけとして捉えれば、店としての対策も自然と生まれてくるはず。今回紹介した視点は、新年会だけではなく多くのイベントにも応用できるポイントなので、ぜひ参考にしてもらいたい。
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