栃木県が米国への県産米の売り込みに力を入れている。2年連続でロサンゼルスでプロモーションし、外食店などの取り扱い増を目指す。国内でコメ消費が落ち込む中、日本食レストランや日本人住民が多い米西海岸をターゲットに輸出拡大につなげる。
県は17~21日の日程でロサンゼルスで県産米や牛肉のプロモーションを実施。現地のホテルにブースを設け、県職員や農業団体関係者が米国の仕入れ担当者らに県産品をPRする。現地の店舗では県産米などを使った料理を提供するフェアも開催。天皇陛下の代替わりに伴う行事「大嘗祭(だいじょうさい)」で使った県産米「とちぎの星」やコシヒカリなどを売り込む。
日本食ブームを追い風に、県産米の輸出は近年拡大している。2018年度のコメ輸出額は前年度比2.2倍の4500万円に上った。シンガポールや米国への輸出が始まったことが寄与した。
ただ、輸出拡大の余地はなお大きい。農林水産省の調査によると、栃木県は主食用米の収穫量(19年産)で国内の約4%を占め、都道府県別で8位の米どころだ。しかし、18年度の輸出額は全国の1%程度にとどまっている。
県はイチゴなどの果物では東南アジアなどへの輸出に力を入れているが、検疫や輸送コストなどの事情もあり、米国ではコメや牛肉の輸出拡大に注力している。日本食レストランが多く、日本人住民も多い米西海岸に着目し、「ロサンゼルスを拠点に輸出を広げていきたい」(県経済流通課)と、19年から現地でのプロモーションに努めている。
19年のプロモーションの成果もあり、「販路の構築が進んできた」(同)と今後の輸出増に期待を寄せる。米国のほか、香港やシンガポールなど日本食の需要が見込まれる他地域にもコメの輸出を拡大させていく考えだ。(宇都宮支局 松本萌)
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January 20, 2020 at 02:06PM
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