太陽系には、地球のような岩石惑星と木星のようなガス惑星が存在しますが、この特性は火星と木星を境にして綺麗に二分されています。
この境界は単純な構造の問題だけでなく、太陽に対して火星より外側では炭素化合物(有機物)が豊富であり、火星より内側では少ないという材料の違いにも現れています。
惑星を作り出す材料は、一体なぜ混ざり合わずに綺麗に別れたのでしょうか?
この問題について、初期太陽系を取り巻いていた塵とガスの円盤は一様に繋がったものではなく、大きく分裂した構造をしていたという説が登場しました。
この研究論文は、日本の東京工業大学 地球生命研究所(ELSI)のR. Brasser氏と米国コロラド大学ボルダー校のS. J. Mojzsis氏により発表され、1月13日付けで天文学の科学雑誌『Nature Astronomy』に掲載されています。
惑星構造の謎
地球や火星は岩石主体の岩石惑星で、炭素化合物が比較的少なめです。一方、木星や土星は巨大ガス惑星という分類になり、ガスが主体で炭素化合物が多い惑星です。
普段太陽系の惑星の話を聞いても、「なぜ同じ星系の惑星でこんなに構造が違うのだろう?」と疑問を感じていた人は多いでしょう。
この構造の違いについては、「初期太陽系において、巨大な木星の重力が外からやって来る物質を引き寄せてしまい、火星より内側へ入ることを拒んでいたから」だと考えられていました。
しかし今回の研究者たちは、初期太陽系のシミュレーションを行った結果、木星がそこまでの影響力を持つほど巨大ではなかったという結果を得たと報告しているのです。
木星の重力が太陽系の惑星構造を二分する原因でなかったとすると、そこには別の原因が存在することになります。一体なぜ太陽系の惑星は、太陽からの距離によって構造が分かれたのでしょうか?
太陽系大分裂
この問題について、今回の研究者たちは初期太陽系を取り巻いていたガスと塵の円盤に大きく分裂した構造があったためだと主張しています。
彼らはこれを「大分裂」と呼んでいます。
大分裂は火星と木星の間、小惑星帯の外側にある空白のスポットにあったといいます。
ここを境界として、初期の太陽系を取り巻く円盤は高圧と低圧で別々に分離し、構成材料の異なるリングを形成していました。そして、それが異なるタイプの惑星を形成した原因であると考えているのです。
これはなにも単なる想像によるものではありません。チリのALMA望遠鏡は、若い恒星系を取り巻く円盤が、分裂した領域を持っていることを観測により確認しているのです。
Brasser氏らによると、初期太陽系にもこれと同様の大分裂が存在していたと考えていて、それが惑星の構造を二分したというのです。
しかし、こうした分割は完全なものではありませんでした。
この大分裂の境界線を超えて、小惑星などによって運ばれた物質が存在します。
それが地球に海をもたらし生命を生み出した、有機物(炭素化合物)や水なのです。
もしこれが事実なら、地球の環境はなんとも奇跡的で絶妙なバランスで生まれたと言えるでしょう。
この研究はまだ確証を持てるものではありませんが、太陽系の惑星の構成や、地球環境の形成を理解する上で重要な手がかりになると考えられています。
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January 21, 2020 at 10:03AM
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