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我々はひとりぼっちではない…銀河系には最大100億個の地球型惑星が存在する - Business Insider Japan

宇宙で地球外生命の見つかりそうな場所として、天文学者たちは地球型惑星を探している

ハッブル宇宙望遠鏡による9年分に及ぶ深宇宙の観測データから、約1万個の銀河が発見された

ハッブル宇宙望遠鏡による9年分に及ぶ深宇宙の観測データから、約1万個の銀河が発見された。

NASA/ESA/IPAC/Caltech/STScI/Arizona State University

地球型惑星とは、岩石でできた、地球と同じくらいの大きさの惑星のことだ。ただし、「地球と同じくらいの大きさ」の範囲については、厳密には定義されていない。岩石できた惑星(岩石惑星)がどのくらい大きくなりうるのか、その限界がわかっていないためだ。

また、地球型とされるには、主星である恒星の「ハビタブルゾーン」に存在する惑星でなくてはならない。ハビタブルゾーンとは、惑星表面に液体の水が存在できる、恒星からの距離の範囲を指す

ハビタブルゾーン、別名「ゴルディロックス・ゾーン」とは、恒星の周囲で、惑星が極端な高温や低温にならず、水を液体で保てる領域のこと

ハビタブルゾーン、別名「ゴルディロックス・ゾーン(Goldilocks Zone)」とは、恒星の周囲で、惑星が極端な高温や低温にならず、水を液体で保てる領域のこと。

NASA

いくつかの最新研究が、地球が宇宙の中でありふれた存在である可能性を示している

太陽系にある地球型惑星のような岩石惑星は宇宙に数多く、また多様な種類が存在しうることをイメージしたイラスト。

太陽系にある地球型惑星のような岩石惑星は宇宙に数多く、また多様な種類が存在しうることをイメージしたイラスト。

NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC-Caltech)

それはまた、地球外生命体がありふれた存在である可能性も示している。

太陽系外惑星についてこれまで得られた知見の大半は、惑星探査衛星であるケプラー宇宙望遠鏡がもたらしたものだ

NASAのケプラー宇宙望遠鏡(イラスト)。

NASAのケプラー宇宙望遠鏡(イラスト)。

NASA

ケプラーは2009年に打ち上げられ、燃料切れにより2018年に運用を終了した。NASAの惑星探査ミッションは、2018年4月に打ち上げられたトランジット系外惑星探索衛星(Transiting Exoplanet Survey Satellite:TESS)に引き継がれている。

NASAの研究者たちはケプラーの観測データを基に、天の川銀河だけで約10億個の地球型惑星が存在すると推測した

地球と、天の川銀河。国際宇宙ステーション(ISS)から宇宙飛行士のスコット・ケリー(Scott Kelly)が撮影し、2015年8月9日付でTwitterに投稿した。

地球と、天の川銀河。国際宇宙ステーション(ISS)から宇宙飛行士のスコット・ケリー(Scott Kelly)が撮影し、2015年8月9日付でTwitterに投稿した。

NASA/Scott Kelly

NASAの天体物理学者ナタリー・バターリャ(Natalie Batalha)は2015年、ワシントン・ポストに対し、あくまで控えめな数字としてこの概算値を示した。

その後、さらなる研究によって、天の川銀河には最大100億個の地球型惑星が存在する可能性が示唆されている

天の川銀河の想像図。中心部にある太い棒状の構造の端から、大きな渦状の腕2本と小さな渦状の腕2本が伸びている。

天の川銀河の想像図。中心部にある太い棒状の構造の端から、大きな渦状の腕2本と小さな渦状の腕2本が伸びている。

NASA/JPL-Caltech

天体物理学者エリック・フォード(Eric Ford)らのチームが2019年8月に発表した研究は、太陽型恒星の4個に1個という割合で、周囲に地球型惑星が存在すると推測している。

研究チームは、ケプラーが発見した惑星のみを手がかりにするつもりはなかった。ケプラー望遠鏡の観測方法は、(地球のような)小型の惑星よりも、(木星のような)大型の惑星を検出するのに長けているからだ

NASAの探査機ジュノーがとらえた木星の大赤斑。2019年2月12日、探査機がこの巨大ガス惑星に接近した際に撮影された。

NASAの探査機ジュノーがとらえた木星の大赤斑。2019年2月12日、探査機がこの巨大ガス惑星に接近した際に撮影された。

NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill

それはすなわち、ケプラーのデータが、宇宙に存在する地球型惑星の数を過小評価している可能性を意味する。

理由は、ケプラーが用いている「トランジット法」にある。これは、恒星の手前を惑星が横切る際に、恒星の明るさがわずかに減るのを観測する手法だ

水星が、地球と太陽の間を通る現象をとらえたNASAの合成画像。2016年5月9日に起こったこの通過(トランジット)は7時間半に及んだ。

水星が、地球と太陽の間を通る現象をとらえたNASAの合成画像。2016年5月9日に起こったこの通過(トランジット)は7時間半に及んだ。

NASA's Goddard Space Flight Center/SDO/Genna Duberstein via AP

大型の惑星は、恒星の光をより多く遮るので、より検出しやすい。加えてケプラーの観測方法は、質量が太陽の3分の1ほどの、小型で暗い恒星を主なターゲットにしていた。

そこでフォードのチームは、我々の宇宙に似たシミュレーション上の宇宙を構築し、そこに存在する恒星を、ケプラーと同じように「観測」した

宇宙背景放射の多波長全天画像。

宇宙背景放射の多波長全天画像。

ESA/ LFI & HFI Consortia

シミュレーションの結果、仮想宇宙でケプラーが検出すると予想される系外惑星の数とその種類が導き出された。そしてそのデータを、実際のケプラー望遠鏡が実際の宇宙で検出したデータと比較し、太陽型恒星のハビタブルゾーンに地球サイズの惑星がどれだけ豊富に存在するかを推測した。

その結果、太陽型恒星のハビタブルゾーンには、最大100億個の地球サイズの岩石惑星が存在すると推測された

地球からわずか40光年にある超低温矮星の周りに、3つの惑星が存在する様子の想像図。

地球からわずか40光年にある超低温矮星の周りに、3つの惑星が存在する様子の想像図。

SO/M. Kornmesser

フォードは8月、Business Insiderに対して「どの範囲の恒星を『太陽型』に分類し、どの範囲の軌道距離を『ハビタブルゾーン』とみなし、どの範囲の惑星サイズを『地球型』とするかは、非常に不明確だ」と述べた。「その不明確さを考慮すると、推定個数は50億と100億のどちらであってもおかしくない」

そうした惑星の多くは、ほかの面でも地球に似ている可能性がある。2019年11月に発表された研究によると、連星系に属する地球型惑星の87%は、地球のように自転軸の傾きが安定していると考えられるという

シリウス連星系のイラスト。シリウスA(左)は、地球から見える夜空の中で最も明るい恒星で、シリウスBという小さな青い伴星をもつ。

シリウス連星系のイラスト。シリウスA(左)は、地球から見える夜空の中で最も明るい恒星で、シリウスBという小さな青い伴星をもつ。

NASA/ESA/G. Bacon (STScI)

論文の共著者であるゴンジー・リ(Gongjie Li)はプレスリリースで、「多重星系はありふれた存在であり、恒星のおよそ50%は連星をなしている」と述べている。「したがって、この研究結果は多くの恒星系に当てはめることができる」

安定した傾きは、地球の生命にとって非常に重要だ。例えば火星の自転軸の傾きは数万年単位で大きく変化しており、惑星全体の気候が激しく変動するため、生命の定着が妨げられる可能性がある

火星の表面。

火星の表面。

NASA

自転軸の傾きが安定しないことが、火星から大気が消失した原因だと考える研究者もいる。

6つの寿命を終えた恒星を観測したところ、粉々になった岩石惑星の残骸に、地球や火星の岩石に見つかるのと同様な酸素その他の元素が含まれることが明らかになった

太陽のような恒星は、一生を終えるとき、ガスの外層を放出。あとには高温の中心核だけを残す。

太陽のような恒星は、一生を終えるとき、ガスの外層を放出。あとには高温の中心核だけを残す。

NASA/ESA/K. Noll (STScI)

研究チームは望遠鏡のデータを用いて、これらの岩石に含まれる鉄が、どの程度酸化していたかを計算した。鉄の酸化とは、鉄が酸素と化学的に結合して錆びるプロセスをいう。

2019年10月に発表された研究の共著者エドワード・ヤング(Edward Young)はプレスリリースで、「地球に海があり、生命に必要な材料がすべてそろっているという事実は、地球が酸化していることに由来する。岩石が化学反応をコントロールするのだ」と述べている。

「我々の研究によって、岩石惑星の多くが地球に似ている確率が高まった。そして宇宙には、非常に多くの岩石惑星が存在する」

地球に似た惑星は、太陽系の中ですら、珍しくない存在かもしれない。金星には数十億年にわたって、海と、地球に似た気候が存在した可能性があるのだ

陸地と水がある金星の想像図。

陸地と水がある金星の想像図。

NASA

2019年9月に、金星の歴史を5つのシナリオでシミュレーションした研究が発表された。結果は、5つのシナリオすべてで、金星は最大30億年間にわたり摂氏20~50度の気温を維持していた。

しかし、約7億年前に謎の大異変が起こった結果、金星は現在のような、生命が居住できない高温環境に変貌したと研究チームは考えている

NASAの探査機ガリレオが、1990年2月14日に約270万キロの距離から撮影した金星の写真に色を着けたもの。

NASAの探査機ガリレオが、1990年2月14日に約270万キロの距離から撮影した金星の写真に色を着けたもの。

NASA/JPL

研究共著者のNASA研究者マイケル・ウェイ(Michael Way)はプレスリリースで、「金星で何かが起こり、大量のガスが大気中に放出されたが、岩石がそれを再吸収できなかった」と述べている。

金星の地下からマグマが湧き上がり、大量の二酸化炭素を大気中に放出し、大気中の二酸化炭素のせいで熱が閉じ込められ、表面温度が現在のような、平均摂氏462度という高温に達するようになったと考えられる。

「ほぼ惑星全体で起きた地表変化によって、地球に似ていた気候が、現在のような灼熱の温室へと転じた可能性がある」とウェイは述べている。

このような異変の影響を受けやすいところも、「地球型」の特長だと言える

2019年6月22日、千島列島のライコケ火山が噴火し、灰とガスの噴煙を上げる様子をISSのクルーが撮影した。

2019年6月22日、千島列島のライコケ火山が噴火し、灰とガスの噴煙を上げる様子をISSのクルーが撮影した。

NASA

いつかは我々の地球も、破局噴火隕石の衝突によって、生命が存在できない惑星になる可能性があり、そうなれば地球上の生命は一巻の終わりだ。ただし、研究によれば、生命のいる地球型惑星は、ほかにもたくさん存在する可能性があるのだ。

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December 18, 2019 at 01:32PM
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