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「Amazonは 独立した惑星 だ。引力の法則が働く」:ある Amazon 出店者の告白 - DIGIDAY[日本版]

Amazonのようなプラットフォームの税金や手数料を免れながら、ブランドを構築していると言われるD2Cブランドが多くの話題を集める一方で、Amazonというeコマースの巨人は、依然、ブランドのエコシステムとして繁盛している。実際、この数年間、Amazonは同サイトに出店するブランド向けのツールやプログラムの開発と提供に注力してきた。

米DIGIDAYの兄弟サイト、モダンリテール(Modern Retail)では、長年Amazonで商品を販売してきたが、いまもなおこのようなプラットフォームへの依存に慎重な、ある人気ブランドのオーナーに話を聞いた。オンラインリテールで起業したこの人物は、匿名を条件に、eコマース市場を支配するこの巨大プラットフォームで、事業を立ち上げ、差別化し、維持していくことの難しさについて、忌憚のない意見を聞かせてくれた。

取材内容を若干編集し、要点をまとめて掲載する。

──Amazonのエコシステムに依存するブランドとして、最大の懸念材料は何か?

マージンの観点から見れば、Amazonはかつて通常の小売に替わる選択肢だった。小売のマージンははるかに薄い。しかし、Amazonでのマージンと小売でのマージンに、さしたる違いがなくなればどうなるか。いくつかの難しい選択を迫られるだろう。Googleにしろ、Facebookにしろ、インスタグラム(Instagram)にしろ、コストをかけて新規に顧客を獲得するのはAmazonでそうするよりずっと厳しい。Amazonでマージンの浸食が起こるなら、当然、すでにマージンの浸食が起こっている、ほかのチャネルへの乗り換えを検討する。零細な事業者が世界的なブランドへと成長する見通しは、ますます暗いと言わざるを得ない。

──あなたの事業が直面する最大の落とし穴は何か?

Amazonはブランドに、Amazonのサイトに出店してほしいという。そしてブランドのオーナーに、出店してもらうための適切なツールを提供したいという。しかし、ブランドの食指を動かすだけの変化はまだない。たとえば、Amazonで新商品を出す場合、常にゼロからはじめる必要がある。Amazonの既存顧客のなかに、この新商品にもっとも興味を示しそうな人がいても、この人にメールで案内を出すことはできない。既存の顧客に対して効果的に商品を売り込むことが不可能なのだ。

しかも、相手が私の顧客であっても、Amazonでは、異なる商品を組み合わせて売ったり、関連商品を提案したりする自由がない。すべてはアルゴリズムで決められてしまう。このため、相互補完的な商品を売り込むことが本当に難しい。私が売る商品について言えば、相性の良い商品をまとめて提案するほうが理に適っているし、顧客のエクスペリエンスにとってもプラスになる。

さらに、Amazonはほかの誰のブランドよりも、自社ブランドを優先的にプロモートする。先に述べたブランドツールも、サードパーティのブランドに提供するというより、自分たちで使うものだ。新規顧客の獲得にも同じことが言える。たとえば、Amazonの商品ページに送客するため、Google検索に広告を出すとする。私の広告費で獲得したトラフィックであるにもかかわらず、Amazonはこのランディングページに私の競合相手を表示してしまう。

──ほかのチャネルへの拡大を阻む、最大の障害は何か?

Amazonプラットフォームからデータを収集して、製品開発の意思決定を行い、このプラットフォームに適した製品を開発する。同じ製品をFacebookまたはインスタグラムに載せてショッピファイ(Shopify)に集客しても、同じ需要は創出できない。ブランドは、Amazonの検索結果で最適の成果が得られるように製品や価格を設計している。しかしAmazonの外では通用しない。だとすれば、異なるチャネルごとに、異なる製品のラインナップやカタログを用意する必要があるのだろうか。成功はするにしても、物流的には悪夢にちがいない。

──Amazonとの取引をどう分類するか? 状況は改善しているか?

Amazonは独立したひとつの惑星だ。Amazon内部の意見は、尋ねる部署によって異なるだろう。個人的にはブランドに出店してほしいと願うAmazon従業員がいる一方で、それとは異なる見解を示す人々もいる。

しかし昨年、データの提供はいくぶん改善された。Amazonは現在、ブランド分析のダッシュボードを提供しており、デモグラフィックデータに関しては、若干情報量が増えた。おかげで、Amazonで我々の商品を購入する顧客について、多少なりとも理解が進んだ。十分とは言えないにしても、2年前よりはマシだ。また、Amazonでの偽造品の流通を監視するツールもいくつか導入された。

Amazonの人々は思慮深いと思う。我々のことをきちんと考えていてくれると思う。そして有能な人々でもあるだろう。反面、その大きさゆえに存在する引力の法則があって、特定の物事の実現を妨げているのだと思う。それがどう変わるのか、あるいはさらに悪化するのか、それについては何とも言えない。

Cale Guthrie Weissman(原文 / 訳:英じゅんこ)

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November 20, 2019 at 09:50AM
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